9 曾子曰、愼終追遠、民徳歸厚矣。
曾子曰く、終りを慎み遠きを追えば、民の徳 厚きに歸す。
「終」は、人生の終り、生命の終末ということ。それは「死」ということではなく、「死の儀式」「告別」ということ、つまり葬儀、葬祭が含意であるという。
平たく言えば華美な葬式は行うなという趣旨だ。後に「民」つまり被支配階級がでるので「君子」たる支配階級に向けての言葉ということだ。
遠きを追うということも前後関係から「遠い先祖」を追慕しての儀式、今で言う「××年忌法要」の如きものだろう。先祖の祭りを疎かにしないようにという趣旨だ。
こうすることで民の生活ぶりも見習って簡素にして美なるものへと帰着するだろう、というのだ。
帰するという文字が示しているのは「本来あるべきところへ行き着くこと」なので、国の上下ともに徳に厚い気風こそ本来あるべき姿と考えていることを示している。
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